漢方薬と漢方薬局について
漢方薬とは
漢方薬というのは、中国起源であり自然の植物由来である「根」「茎」「葉」「花」や動物由来である「角」「骨」「皮や臓器」「甲羅」その他「鉱物」などを乾燥させたものを組み合わせて使ったものをいい、そのまま煮出す「煎じ薬」丸めて固めた「丸剤」乾燥させて粉末状にした「エキス剤」などがあります。
また、漢方は「医療用」「一般用」「健康食品」などに分類され、病院で処方される保険適応の漢方は主に「医療用」、漢方薬局やドラッグストアなどで購入できる漢方は「一般用」、その他生薬でも比較的副作用が少なく安全性が高いものは(例:朝鮮人参や田七人参など)「健康食品」として分類されています。
病院の漢方と漢方薬局など専門店の漢方の違いとは?
病院で処方される漢方は保険適応の漢方が殆どで、保険に認可されている漢方は148種類あり、その他煎じ薬を処方する際の生薬としては約187種類あると言われています。
また、一般用の漢方で厚生労働省に承認されている種類は約294種類あり、保険適応でない製品が多いため不調や体質に合ったものを探す際に一般用の方が選択の幅が広く有利になっています。
製薬会社も保険適応の場合限られた数社のみですが、民間の一般漢方製剤は昔からある老舗製薬会社など多くの会社が様々な商品を製造していますので、古来の伝統的な和漢薬なども漢方薬局などで購入する事が出来ます。
その他、保険の範囲内では「薬価」と呼ばれる価格が統一されているためより高価な生薬を用いて製品を作るには限度がありますが、一般用は保険適応外という点では高価な生薬や特殊な製造方法でも需要があれば市場価値として認められるため、求められる効能をしっかり出す商品が多いことが特徴としてあります。
特に不妊症の場合、女性ホルモンなどを補う目的で「補腎薬」と呼ばれる滋養強壮の効果がある漢方を必要とする場合が多く医療用には少ない動物性の生薬の方が腎を補う力がより高い事から、漢方相談店で相談する付加価値は漢方製剤の幅の広さ(品数の多さ)にあると言えます。
漢方専門の薬局や薬店はどんなところ?
漢方薬局は、主にカウンセリングをして体質を確認した上で個々に合った漢方薬を選別する「漢方相談」をメインとした店舗です。
カウンセリングだけでなく、舌診や望診(顔色や患部を観察すること)を取り入れてることで沢山の情報の中から細かな不調の原因まで診るため初回の相談は約1時間程度かかる場合が多く、医療全般について知識豊富なスタッフが多いため不妊症の分野だけでなく疲れや胃腸が弱いなど様々なトラブルにも対応してくれます。
また、漢方薬局で漢方薬を購入する場合は保険が適応されないのですが、一般的には相談料などかからない店舗が殆どですのでお薬代のみ実費となります(※お店によっては相談後の漢方購入が無いお客様に対しカウンセリング料をいただく場合がありますので要確認)。
妊活には漢方が必要なの?
妊活の方の体質を中医学の観点から診ていると、不妊症の要因である
・血虚(血が少ない)
・陽虚(冷え)
・瘀血(血流が悪い)
・気滞(ストレス)
などのトラブルを複数抱えているパターンがとても多く、特に妊娠に必要な「血」「腎のチカラ」などが慢性的に弱っている事で子宮や卵巣のエネルギー不足になり、卵巣の育卵が遅かったりグレードの良い卵が作れていない、また子宮内膜がしっかり育たないなど妊活にとって不利な環境になってしまいます。
これらの状況を不足には「虚証」、過剰やトラブルには「実証」などの鑑別をして補ったり整えたりする事で、妊娠力の底上げをしながら、よりよい環境を作る事が漢方を使う目的となります。
実際に漢方相談で体を整え、冷え性や月経痛が改善される頃に自然妊娠をする女性もとても多く
「体質改善」
を取り入れて妊娠を目指す方にとって漢方は必要なアイテムと言えます。
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また不妊治療中に漢方を併用する方もとても多く、相乗効果を求める意味でも西洋医学と東洋医学のいい面を両方取り入れていただくことが1番効果的だと言われます(これを中西医結合と呼びます)。
まとめ
漢方専門の薬局や薬店は専門的な知識だけでなく、専門分野に特化した漢方製品を数多く取り扱っているため保険適応ではないものの妊活に必要なアイテムは多く揃っています。
実際に高齢不妊の相談者が数多く漢方を利用しており、比較するとより良いデータも出ていることから漢方を推奨している医師も多くいらっしゃいますので、カラダの状態を整える意味でも不妊治療と漢方の併用をおすすめします。
また「自費で高額」といったイメージはありますが、高額医療負担の確定申告をする場合は保険適応外の漢方商品でも「医薬品」に該当する購入商品も申請の対象となる商品もあり、不妊治療の医療費などと合算して申請する方も多くいらっしゃいます。
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