不妊症とは?
不妊症の定義
不妊症とは、健康な男女が一定期間避妊をせず性交しているにもかかわらず、妊娠に至らない状態の事をいいます。
【一定期間とは・・・】
・女性が35歳未満の場合・・・12カ月
・女性が35歳以上の場合・・・6カ月
と定義されています。
なかなか妊娠に至らない場合は不妊治療専門病院による検査からのスタートになりますが、いち早く妊娠したいカップルの場合は結婚の段階で一度ホルモン値や不妊症検査を先に実施し、問題が無い場合のみタイミングからのスタートをおすすめしています。
実際の不妊症の割合は?
年齢にもよりますが、今現在日本ではご夫婦の約4.4組に1組が不妊で悩んでいると言われます。
(国立社会保障・人口問題研究所第16回出生動向基本調査より)
不妊症の原因とは?

【女性側の場合】
①排卵障害
②卵管因子
③子宮因子
④受精&着床障害
⑤加齢
【男性側の場合】
①精巣因子
②精子の通過因子
③性機能障害
④加齢
などが考えられます。
不妊治療の内容とは?
不妊治療とは独自にタイミングを取っても結果が出ない場合、実際に婦人科や不妊治療専門病院に通って体調に合わせた治療をする事をいいますが、年齢や原因によって進む段階&スピードは異なりますので詳しくは↓記事にてご紹介しています。

不妊症に多い症状とは?
不妊症になりやすいタイプは以下のような特徴があります
①生理前後の頭痛や生理痛が強い
②足腰など下半身の冷え性がある
③血が少ないタイプで生理周期が長く経血が少ない
④仕事や人間関係のストレスが強い
以下に詳しく解説していきます↓
生理前後の頭痛や生理痛が強いタイプ

【瘀血タイプ】
このタイプは座りっぱなしの仕事・運動不足・冷え・ストレスなどが原因で血流が悪くなっている体質。「瘀血」と呼ばれる血流障害の状態が長くなると「生理痛・子宮筋腫・子宮内膜症」など不妊症の引き金になる病因となるため、
①体を動かし血流を良くすること
②体を温めて血流を良くする「温活」
③運動や趣味を取り入れる「ストレス発散法」
などを取り入れる事をおすすめします。
その他、下記にある「血が少ないタイプ」も瘀血の原因としてありますので両方該当する方はまず血を増やすよう努めましょう。
足腰など下半身の冷えがあるタイプ

【腎陽虚タイプ】
下半身が冷える場合、中医学では「陽虚」と呼ばれますが、原因として
●血虚(血が足りない場合)
●陽虚(エネルギー不足の場合)
などがあり、冷えが手足など末端のみの場合は「血虚」、太ももやお尻までが冷えている場合は「腎陽虚」と考えます。この「腎陽虚」になると、子宮や卵巣などホルモン系の臓腑(腎)まで冷えが入り込んでいますので、機能が低下したり血流が悪化し不妊症となりやすい環境になってしまいます。この冷え対策として
①血虚の場合は「補血作用」のある漢方や食事療法により血を増やす(タンパク質や鉄分を摂取)
②腎陽虚には腎を温める「補腎陽」の漢方薬を用いたり、お腹や腰にカイロを貼る&鍼・お灸・よもぎ蒸しなどの温活習慣
を取り入れましょう。
温活アイテム6選ご紹介記事はこちら↓

血が少ないタイプで生理周期が長く経血が少ない

【血虚タイプ】
上の2項目にもあるように中医学の「血(けつ)」には・・・
●体全身を巡り栄養や潤いを届ける
●精神を安定させて心を健康に保つ
働きがあります。このため、血が少なくなると、
①疲労感・眠気・脱毛・肌艶の乾燥・爪が割れやすい
②不安感・落ち込みやすい・ソワソワする・眠りが浅い・多夢
などの症状が現れます。
また、女性のカラダは「血をもって本となす」表現されており、女性が健康でいるためには血の存在が必要不可欠であり、血が不足する事で様々なトラブルが生じてしまいます。また、現代社会の「パソコン作業」「スマホ依存」で目を使う行為や「夜更かし」は大事な血液を大量に消費してしまいますので、「血虚」の大きな原因になっています。
そのため血虚対策として・・・
①夜は0時までには眠りにつく(理想は22時まで)
②パソコンやスマホを観る時間を意識して減らす
③月経前後にしっかりお肉などのたんぱく質、野菜・海藻・貝類などからミネラル・鉄分をしっかり摂る。
④悩み事や考え事で頭をフル回転させない(ボーっとする時間やリラックスの時間を増やす)
⑤補血作用のある漢方(特に女性ホルモンに特化したもの)を継続的に服用する
などをおすすめします。

血虚タイプは①排卵がゆっくり②治療する際のホルモン刺激をしても卵子の育ちが悪い③子宮内膜が薄いなどの特徴があります。特に内膜が薄い場合は妊活の際に移植が出来なくなる事もありますので、漢方などでしっかり血を補いましょう。
仕事や人間関係のストレスが強い

【気滞タイプ】
仕事やプライベートで常にストレスを受けている方は中医学でいう「気滞(気の巡りが悪くなっているタイプ)」に当てはまり、血流や臓腑の働きもスムーズにならず停滞しやすくなっているため
①肩こり・頭痛
②イライラやPMS症状悪化
③頭痛やのぼせ
④胃痛や便秘
などの症状として現れます。
もちろん子宮や卵巣などの機能や血流も悪影響が及ぶため、自律神経の乱れを受ける事で月経周期が不安定になったり基礎体温がギザギザになります。それが長期化すると血流障害の影響を受けて子宮筋腫や子宮内膜症が出来やすい体質になるともいわれます。
この気滞タイプの改善方法として・・・
①自律神経を整える「瞑想や深呼吸」「ヨガ・ピラティス・アロマ」などを生活に取り入れる
②気を巡らせる漢方や食事療法を取り入れる
③生活からストレスを取り除くように環境や習慣を変える(転職や引っ越しなど)
などが挙げられます。
メンタルと不妊は関連がとても深いため、妊娠しやすい体づくりのためにもストレスやプレッシャーを取り除く努力が大事です。

まとめ
「不妊症」とは一定期間男女がタイミングをとっても妊娠出来ない事をいい、日本では4.4組に1組が不妊症に悩んでいると言われています。
これは女性側&男性側の原因だけでなく、加齢(晩婚化)も大きな要因として考えられます。
それぞれに原因があるかは一定期間タイミングを試してから調べるより、結婚してすぐに「不妊専門病院」で調べておくと効率よく妊活を進めることが出来ます。
また漢方の考え方では体質ごとに不妊症になりやすい原因があり、どれも日頃の生活習慣の改善や漢方薬などを用いる事で妊娠力の向上を望むことが出来ますので、自分自身で出来る部分は改善したうえで妊活を計画的に進めてみましょう。
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