男性不妊の基礎知識
男性不妊の割合は?
近年は男性側の原因による不妊症の割合も増え、WHO(世界保健機構)の統計によると・・
〇男性のみ→24%
〇女性のみ→41%
〇男女とも→24%
の割合と言われるため、男性側の原因は全体の48%ともいわれます。
男性不妊の基準値とは?
2021年に改定されたWHOのマニュアルでは・・・
〇精液量→1.4ml以上
〇精子濃度→1,600万/ml以上
〇運動率→42%以上
〇正常形態率→4%以上
とされています。
病院で人工授精や体外受精をする際は遠心分離機でよい精子を分別したり、最近ではフィルターを用いて精子を選別するザイモート法(ZyMot法)を用いる事も増えていますが、「洗浄前」→「洗浄後」と2つのデータを配布される際は洗浄前のデータを基準値と比較していただけます。
男性不妊「精索静脈瘤」とは?
男性不妊にて「精索静脈瘤」と呼ばれる症状が重い場合、手術の必要性がある疾患があります。
これは男性の約6人に1人に認められる病態で精巣内から心臓に戻る静脈の血流が悪くなることでコブのような静脈瘤が発生してしまい、これが原因で
〇精巣内の温度が上昇し精子の環境が悪くなる
〇精巣の血流悪化により精子を作る能力が低下する
という状態になってしまい男性不妊になりやすい環境となるのです。
精索静脈瘤がある場合は
主に「男性不妊外来」「泌尿器科」にてエコーや触診で見つかりますが、手術によって改善できる病態ですのであまり深刻に捉えず前向きに改善するための策を検討ください。
また、軽度と診断された場合は漢方薬での対応や日常での生活改善などで引き続き妊活を継続していただけます。
「精索静脈瘤」にならないために
予防策としてはデスクワークや乗り物などで座る時間が長い場合だけでなく、趣味の温泉やサウナなども注意が必要です。
①パンツやスーツをなるべく締め付けない通気性が良い素材やゆるいサイズにする
②摩擦や圧迫など強いダメージを与えないようバイクや自転車は控えめに
③下半身に熱が籠らないよう冬は温めすぎたり熱いお風呂やサウナを控える

以前、不妊歴3年以上のご夫婦の漢方相談の際、ご主人が精索静脈瘤の手術を受けられたことで数か月後自然妊娠に至ったという成功例もあります✨
性機能障害(ED)がある場合
近年、男性側もストレスや多忙による慢性疲労などが原因でなかなかうまくタイミングを取れないといった相談も増えてきております。
〇勃起障害
〇性交障害
〇射精障害
〇性欲障害
などの分類があり、男性不妊外来では精液所見以外の「問診」などにより診断されています。
主な原因としては・・・
〇加齢
〇手術・外傷・慢性疾患
〇お酒やタバコ
が挙げられますが、「過労」「ストレス」や「うつ傾向」などでこれらの症状になる場合が最も多いように感じます。
男性不妊外来では
・ED治療薬(バイアグラなど)
を処方されることが最も多いのですが、漢方相談などでも性機能障害に適した漢方や健康食品などをおすすめし良い結果が出る場合も多くあります。
マカなどの健康食品
精力低下や精液検査における検査値に問題がある場合はまずサプリなどの服用がおすすめです。
その他、ミトコンドリアを活性化するという方法もあり、自然派のマルチサプリなどで細胞づくりをサポートする事も大切です。
その他、農薬・添加物・化学合成品(薬品や洗剤など)が精子や卵子の変質の原因ともいわれますので、調味料や食材を無添加&無農薬を意識して購入する事も必ず並行で実践していただきたいです。

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